– AとBでどちらを先に話しますか? –

説明する順番は本質的?!

自由学園高等科 髙田 貴

1+2と2+1は同じ結果になりますが、1-2と2-1は同じ結果になりません。足し算では足すものの順番は入れ替えてられますが、引き算では入れ替えられません。また、普通の掛け算では、a×b=b×aですが、「行列」という数学の分野では一般にA×BとB×Aは異なってきます。不思議な世界があるものですね。高校生の皆さんは先の勉強を楽しみにしていてください。

日常生活でも、順番を入れ替えると、結果がまるで変わってしまうことがあります。料理などを考えてもらえばよいのですが、粉をふるってから揚げる料理と、揚げてから粉をふるう料理では、元の材料と、作業内容は同じでもぜんぜん違ったものになるでしょう。「粉をふるう」と「揚げる」の順番は、ここでは本質的です。

事務的な作業を行うときも、作業の順番をちょっと考えてから行うと、とっても楽になるときがあります。複数の資料を配るときに、綴じてから配るのが楽か、配ってから綴じるのが楽か、状況によって変わると思いますが、スムーズに出来る方法を考え実行していくと、最終的な目的を達成しやすくなります。

プレゼンテーションにおいても、先に提示された情報は、後の説明を助けることができます。資料を見てもらうときに、どんな視点を持って見てもらいたいか、という意図が聞き手にはっきり伝わっていることが重要です。もし最初にこのプレゼンテーションはつまらなそうだな、などと思われてしまったら、もう終わりですし、逆に、これは聞いておけば何か役に立つかもしれないな、と聞き手の心をつかむことができたらしめたものです。その意味で、自分の考えを伝える時、話す順番、資料を示す順番は、とても大切です。